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健康保険組合連合会より掲載しています。無断転載は禁止します。


H22.08.06掲載

COML電話相談の現場から
vol.63
 

NPO法人ささえあい
医療人権センターCOML
 


意思を尊重した治療を
受けさせたい   














    











 【相談】

 75歳の夫は1カ月前に急にふらつきを訴えて受診しました。検査の結果、肺がんの脳転移、骨転移が見つかり、ふらつきは脳の数えきれない転移巣が原因とわかりました。

 早速、脳への放射線治療が25回の予定で始まりました。入院治療で、いまちょうど15回目を終えた段階なのですが、夫の症状が急激に悪化しているのです。病気がわかった段階では、ふらつき以外の症状はなかったのに、いまでは何を話しているのか理解できないぐらい言葉が不明瞭になってきて、自分の名前すら言えません。

 普通の食事がとれなくなり、先日から鼻にチューブを入れて栄養摂取するようになったのですが、夫は気に入らないのかチューブを抜こうとします。そのため、手を抑制帯でくくられてしまったのです。
 
 以前から、夫は「自分で意思表示できなくなったら、積極的な治療は受けたくない」と言っていました。現在、まったく意に反した状態になっていることが不憫でなりません。2人の子どもも私と同じ思いなのですが、夫の妹だけが「意識がなくなっても治療は続けてほしい」と言うのです。夫の意思を尊重したいのですが、どうしたらいいのでしょうか。
   
【コメント】

 「もう助からない」状態で、患者さんが意思表示できないとき、家族の思いが異なると誰が判断するのか難しい選択になってきます。可能であれば、まずは家族・親族が集まり、元気なときの本人の思いを共有したうえで、じっくり話し合うことが必要だと思います。

 この方の場合、妻の立場では夫の妹への遠慮もあるでしょうから、まずは子どもが叔母に父の思いを伝え、そのうえで話し合うことも冷静に話を進める1つの方法ではないかと思います。
 
 この患者さんの場合、意思表示できなくなったときの希望を口頭で家族に伝えていましたが、文書化されていても、家族の考えが異なると本人の意思が尊重されない場合があります。元気なうちから自分の思いや考えを明確に言語化し身近な家族や親族に伝え、また文書化してある場合は、その存在についても伝えておくことが大切です。
  

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